この記事の要点
- 基本手当日額は、辞める前6か月の賃金を180で割った額の50〜80%です
- 自己都合は待期7日のあと原則1か月。倒産・解雇なら待期7日だけです
- 給付日数は自己都合で90〜150日、倒産・解雇なら最大330日です
仕事を辞めたあと、ハローワークから受け取れるお金があります。正式には雇用保険の基本手当といいます。失業保険、失業給付とも呼ばれます。
知りたいことは3つだと思います。いくらもらえるか。いつから振り込まれるか。何日分もらえるか。順番に確認します。
数字は2026年8月時点のものです。上限額は毎年8月1日に見直されます。2026年8月1日にも改定されました。
まず、自分が雇用保険に入っているか確かめます
加入の条件は2つです。1週間の所定労働時間が20時間以上あること。31日以上働く見込みがあること。両方を満たせば、パートでも派遣でも加入します。
給与明細に「雇用保険」の行があるか見てください。引かれていれば入っています。2026年度の本人負担は賃金の1000分の5です。
週20時間未満の人は、いまは対象外です。2028年10月1日から、この条件が週10時間以上に下がります。改正された雇用保険法で決まっています。
もらえる条件は「2年間に12か月」
基本手当を受け取るには、次の2つが必要です。
- 1ハローワークで求職の申し込みをして、すぐ働ける状態にあること
- 2辞めた日より前の2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あること
倒産や解雇で辞めた人は「特定受給資格者」と呼ばれます。契約が更新されずに辞めた人などは「特定理由離職者」です。この2つに当たる場合は、辞めた日より前の1年間に6か月以上あれば足ります。
被保険者期間の数え方には決まりがあります。辞めた日から1か月ずつさかのぼって区切ります。その区切りのうち、賃金の支払い対象になった日が11日以上ある月を1か月と数えます。または賃金の対象になった時間が80時間以上ある月です。
1日いくらになるかを計算します
計算は2段階です。
まず賃金日額を出します。辞めた日の直前6か月に毎月きまって支払われた賃金を合計します。それを180で割ります。賞与は入れません。
次に給付率をかけます。基本手当日額は賃金日額の50%から80%です。60歳以上65歳未満は45%から80%です。賃金が低い人ほど率は高くなります。
厚生労働省が示している計算例です。60歳未満の場合の額です。
| 辞める前の月給(6か月の平均) | 賃金日額 | 基本手当日額 | 30日分 |
|---|---|---|---|
| 18万円 | 6,000円 | 4,683円 | 140,490円 |
| 27万円 | 9,000円 | 6,013円 | 180,390円 |
上限は年齢で決まります。2026年8月1日からの額です。
| 辞めたときの年齢 | 賃金日額の上限 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 14,900円 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 16,540円 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 18,220円 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 17,400円 | 7,830円 |
下限もあります。賃金日額の下限は3,203円、基本手当日額の下限は2,562円です。
賃金日額が高いほど給付率は下がります。月給が2倍でも、給付は2倍にはなりません。
何日分もらえるか
自己都合で辞めた場合は、年齢に関係なく次のとおりです。
| 雇用保険に入っていた期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
倒産・解雇などで辞めた場合は、日数が増えます。特定理由離職者の一部も同じ扱いです。
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
受け取れる期間は、原則として辞めた日の翌日から1年間です。給付日数が330日の人は1年と30日です。この期間を過ぎると、日数が残っていても受け取れません。手続きを先延ばしにしないでください。
いつから振り込まれるか
会社から離職票が届いたら、住んでいる地域を管轄するハローワークに行きます。そこで求職の申し込みと離職票の提出をします。この日が受給資格決定日です。
そのあと、失業の状態にある日を数えて7日間は、誰であっても支給されません。これを待期といいます。この7日間に働いた日は、待期に数えません。
倒産や解雇で辞めた人は、待期の7日が終われば支給の対象になります。
正当な理由のない自己都合で辞めた人は、待期のあとさらに待ちます。2025年4月1日以降に辞めた人は、原則1か月です。それ以前は2か月でした。
辞めた日から5年さかのぼって、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けている場合は3か月になります。
失業の認定は、原則として4週間に1度です。指定された日にハローワークへ行き、失業認定申告書を出します。認定を受けた日から通常5営業日で口座に振り込まれます。
認定を受けるには求職活動の実績が必要です。原則として認定対象期間ごとに2回以上です。最初の認定日は1回で足ります。求人への応募、職業相談、セミナーの受講などが実績になります。求人情報を見ただけでは実績になりません。
給付制限を外す方法と、早く決まったときの手当
自己都合でも、給付制限が解除される場合があります。リ・スキリングのために教育訓練を受けた人が対象です。
対象になるのは、教育訓練給付金の対象講座、公共職業訓練等、短期訓練受講費の対象となる訓練などです。2025年4月1日以降に受講を開始したものに限られます。辞めた日の前1年以内に受けた場合、または辞めたあとに受けている場合が対象です。途中でやめた場合は当たりません。心当たりがあれば、ハローワークで伝えてください。
早く再就職が決まったときは、再就職手当があります。待期の7日が終わったあとに就職し、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることなどが条件です。
- 3分の2以上残して就職した場合は、残日数の70%
- 3分の1以上残して就職した場合は、残日数の60%
基本手当日額4,000円、所定給付日数90日の人が給付制限の期間中に就職した例です。4,000円×90日×70%で252,000円になります。
計算に使う基本手当日額には上限があります。60歳未満は6,745円、60歳以上65歳未満は5,454円です。2027年7月31日までの額です。
手続きに持っていくもの
- 雇用保険被保険者離職票(-1、-2)
- マイナンバーが確認できるもの
- 運転免許証など本人確認ができるもの
- 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
マイナンバーカードを提示すれば、写真は省略できます。
雇用保険の手続きは平日の午前8時30分から午後5時15分までです。求職の申し込みにも時間がかかります。午後4時より前に行くことがすすめられています。
会社から離職票が交付されない場合は、ハローワークに問い合わせてください。
よくある質問
会社都合のはずが、離職票では自己都合になっています。
離職理由は、受給資格の決定のときにハローワークが判定します。異議があるときは、その場で申し出てください。ハローワークが事実関係を調べたうえで判定します。退職を勧められた、賃金が大きく下がった、残業が続いたといった事情があれば、そのまま伝えてください。給付日数と待つ期間が変わります。
65歳を過ぎて辞めた場合はどうなりますか。
基本手当ではなく、高年齢求職者給付金が支給されます。被保険者だった期間が1年以上なら基本手当日額の50日分、1年未満なら30日分が一時金で出ます。手続きの窓口は同じハローワークです。
待っている間にアルバイトをしてもいいですか。
した場合は、失業認定申告書に必ず書いてください。日数や収入によって、支給が減ったり先送りになったりします。書かずに受け取ると不正受給になります。その後の支給がすべて止まり、返還を命じられます。さらに、受け取った額の2倍以下の金額の納付を命じられることがあります。
相談できるところ
ハローワーク豊田(豊田市常盤町3-25-7、電話0565-31-1400)。豊田市とみよし市が管轄です。雇用保険の手続きは平日の午前8時30分から午後5時15分までです。
豊田労働基準監督署(豊田市常盤町3-25-2、電話0565-35-2323)。賃金の未払い、労働条件が契約と違うといった相談を受けています。
豊田労働基準監督署 総合労働相談コーナー(電話0565-30-7108)。解雇やハラスメントなど、職場のトラブル全般の相談窓口です。
愛知県 西三河県民事務所産業労働課 豊田庁舎(豊田市元城町4-45、労働相談専用ダイヤル0565-32-6119)。平日の午前9時から午後5時まで、無料で相談できます。
労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)。無料の電話相談です。平日は午後5時から午後10時まで、土日祝は午前9時から午後9時までです。ポルトガル語(0120-531-403)など13言語に対応しています。
この記事は2026-08-20時点の法令にもとづいています。制度は変わります。 個別の事情については、記事内に挙げた公的な相談窓口にお問い合わせください。
