この記事の要点
- 2025年4月1日以降の離職なら、自己都合の給付制限は原則1か月です
- 日数は倒産・解雇なら最大330日、自己都合など一般の離職者は最大150日です
- 区分に異議があるときは、離職票-2の離職者記入欄に書き、資料を持ってハローワークへ
離職票は、会社を辞めたことを示す書類です。失業給付(基本手当)の手続きに使います。
この紙の「離職理由」の欄ひとつで、受け取り始める時期と受け取れる日数が変わります。国民健康保険税まで変わります。
2026年8月現在の制度で、何がどれだけ変わるかを並べます。納得できないときの手順も書きます。
まず、どこを見るか
離職票は「-1」と「-2」の2枚組です。見るのは離職票-2です。次の3か所を見てください。
- 事業主が記入した離職理由
- 具体的事情記載欄(事業主用と離職者用が分かれています)
- 事業主が付けた離職理由に対する異議の「有り・無し」欄
ハローワークで受給資格が決まると、雇用保険受給資格者証または受給資格通知が渡されます。ここに離職理由のコード番号が入ります。国民健康保険税の軽減の判定にも使う番号です。
変わるのは、おもに次の4つです。
- 1受け取り始める時期
- 2もらえる日数
- 3そもそも受け取れるかどうかの条件
- 4国民健康保険税
1. 受け取り始める時期
ハローワークで求職の申込みをして離職票を出すと、受給資格決定日になります。そこから通算7日間は誰も受け取れません。これを待期といいます。離職理由に関係なく、全員に適用されます。
正当な理由がなく自己都合で辞めた場合は、待期のあとにさらに給付制限があります。離職日が2025年4月1日以降なら原則1か月です。2025年3月31日以前の離職は原則2か月でした。
3か月になる場合が2つあります。離職日から5年をさかのぼり、2回以上、正当な理由なく自己都合で辞めて受給資格の決定を受けたとき。もう1つは、自分の責めに帰すべき重大な理由で解雇された(重責解雇)ときです。
倒産や解雇で辞めた人に給付制限はありません。待期の7日が終われば支給の対象になります。
給付制限が解除される場合もあります。2025年4月以降に、再就職のための教育訓練などを受けた、または受けているときです(雇用保険法33条1項ただし書)。受講前にハローワークで確認してください。
2. もらえる日数
所定給付日数といいます。年齢と、雇用保険に入っていた期間と、離職理由の3つで決まります。
| 加入していた期間 | 自己都合など(全年齢) | 倒産・解雇 35〜45歳 | 倒産・解雇 45〜60歳 |
|---|---|---|---|
| 1年未満 | 90日(※) | 90日 | 90日 |
| 1年以上5年未満 | 90日 | 150日 | 180日 |
| 5年以上10年未満 | 90日 | 180日 | 240日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 | 240日 | 270日 |
| 20年以上 | 150日 | 270日 | 330日 |
※自己都合で辞めた人が受け取るには、離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です。「1年未満」の欄が使われるのは、6か月で資格を得られる人の場合です。
30歳未満、30歳以上35歳未満、60歳以上65歳未満は日数が変わります。表の全体はハローワークインターネットサービスにあります。
倒産や解雇などで辞めた区分を特定受給資格者といいます。有期契約の更新を希望したのに更新の合意に至らず離職した人は特定理由離職者です。2027年3月31日までの離職なら、この人たちの日数も特定受給資格者と同じになります。
3. 受け取れるかどうかの条件も違う
自己都合の場合、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です。
特定受給資格者と特定理由離職者は、離職の日以前1年間に通算6か月以上で足ります。半年ほどで辞めた人には、この差が大きく効きます。
4. 国民健康保険税の所得割が下がる
豊田市の制度です。次の3つをすべて満たすと、前年の給与所得を100分の30として国民健康保険税の所得割が計算されます。
- 国民健康保険に加入していて、離職日時点で65歳未満
- 雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知を持っている
- 離職理由コードが11、12、21、22、23、31、32、33、34のいずれか
下がるのは所得割の部分です。均等割や平等割は変わりません。軽減期間は、離職した日の翌日が属する月から、その月が属する年度の翌年度末までです。申告をしないと軽減されません。 手続きは国保年金課か各支所です。
1日いくらもらえるか
賃金日額は、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割った額です。賞与は入りません。
基本手当日額は、賃金日額のおよそ50〜80%です。60歳から64歳は45〜80%です。賃金が低い人ほど率が高くなります。
1日あたりの上限は年齢で決まります。2026年8月1日からの額です。
| 年齢 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 |
下限は年齢に関係なく2,562円です。
受け取れる額は離職理由だけでは決まりません。年齢と加入期間で大きく動きます。離職票が届いたら、ハローワークで自分の数字を確認してください。
納得できない区分の直し方
手順は4つです。
- 1辞める前に離職証明書を読む。 会社がハローワークに出す離職証明書には、離職前に本人が氏名を記載することになっています。そのとき離職理由の記載内容も確認してください。
- 2離職票-2の離職者記入欄に書く。 具体的事情記載欄に、自分が考える離職理由をできるだけ具体的に書きます。
- 3異議の欄で「有り」を選ぶ。 事業主が付けた離職理由に異議があることを示します。
- 4資料を持ってハローワークへ行く。 タイムカードや勤怠記録の写し、給与明細、シフト表が役に立ちます。退職を勧められたときのメールやメッセージ、日付入りのメモも有効です。
ハローワークは、事業主が主張する離職理由を離職証明書で把握したうえで、離職者が主張する離職理由も把握します。そのうえで双方の主張を確認できる客観的な資料を集め、事実関係を確認して判定します。
それでも結論に納得できないときは、審査請求ができます。都道府県労働局に置かれた雇用保険審査官に対して行います(雇用保険法69条1項)。期限は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月です(労働保険審査官及び労働保険審査会法8条1項)。
よくある質問
会社に「自己都合にしてほしい」と頼まれました
離職理由を最終的に判定するのはハローワークです。会社と本人の主張が食い違う場合は、両方の主張と客観的な資料を確認して判断されます。事実と違うと思うなら、離職者記入欄に自分の言い分を書き、異議の欄で「有り」を選んでください。
残業が多くて辞めました。これは自己都合ですか
特定受給資格者の範囲には、時間外労働の項目があります。離職の直前6か月のうち、連続する3か月で45時間を超えた場合が当たります。いずれか1か月で100時間を超えた場合も同じです。連続する2か月以上の期間の平均で1か月80時間を超えた場合も含みます。勤怠記録や給与明細を持って、ハローワークで相談してください。
会社が離職票をくれません
離職票が必要な場合は、前に勤めていた会社に離職証明書の交付を請求できます。請求しても交付されないときは、住所地のハローワークに相談してください。会社が行方不明の場合も同じです。
相談できるところ
- ハローワーク豊田(豊田公共職業安定所)豊田市常盤町3-25-7。電話 0565-31-1400。管轄は豊田市とみよし市です。
- 豊田総合労働相談コーナー(豊田労働基準監督署内)豊田市常盤町3-25-2。電話 0565-30-7108。受付は9時30分から17時、土日祝と年末年始は休みです。予約不要、相談無料です。
- 豊田労働基準監督署 監督部門(労働条件の相談)電話 0565-35-2323。利用時間は8時30分から17時15分です。
- 労働条件相談ほっとライン 0120-811-610。月曜から金曜は17時から22時、土日祝は9時から21時です(12月29日から1月3日を除く)。
- 豊田市役所 国保年金課 国民健康保険 0565-34-6637/国民年金 0565-34-6638
税金の扱いや個別の紛争の判断は、税務署や弁護士など専門の窓口で確認してください。
この記事は2026-08-20時点の法令にもとづいています。制度は変わります。 個別の事情については、記事内に挙げた公的な相談窓口にお問い合わせください。
